お金と関わりが深い学問、と聞いてみなさんが一番にイメージするのは経済学ではないでしょうか。
“ぼく”
経済学を学んでお金持ちになる。そう考える人は少ないようにみえます。
ここでは経済学について詳しくみていくことで、実際に経済学を学ぶ価値があるのかを考えてみましょう。
目次
そもそも経済学とはどんな学問か
みなさんは地球の水の循環を知っているでしょうか。
水は、海が蒸発して雲になり、雨となって地上に降り、山から雨水が流れて川になり、最後に海に戻っていきます。
この循環はお金にとっても成り立ちます。
国がお金を発行し、銀行から市場に流れ、市場から世間に広まり、最後に国へ戻っていきます。
経済学はこのお金の循環について勉強する学問だといえるでしょう。
昔の経済学は現実をかけ離れていた
以前の経済学は、全ての人がお金に対して合理的に判断し、最適な行動をとるという仮定の上で考えられていました。
その結果、現実とはかけ離れたものとなっていました。
しかし、経済学上の仮定と現実とのかい離はなかなか修正されることがありませんでした。
その理由は主に2点があげられます。
- 実験データの軽視
- 神の見えざる手
実験データの軽視
経済学はお金に関する学問です。
そのため、心理学のように人を集めて、お金をどう使うかという実験をすることが難しかったのです。
それでも何度か実験は行われましたが、ほとんどの経済学者はその実験結果を無視してきました。
実験で使われる少額のお金と、人生の一大事に必要なくらいのお金では、人も考え方を変えるだろうし、データとして役にたたない。
経済学者たちはそう考えていました。
神の見えざる手
「誰もが合理的な判断を持ち、最適な行動をとれるわけじゃない」という反論は、誰でも思い浮かぶでしょう。
この反論に対して経済学は「神の見えざる手」という考えで対抗していました。
これは、一人ひとりが合理的な行動をとらなかったとしても、全体では最適な状態に落ち着くという考えです。
どちらが正しいのかの判断は誰もわかりませんでした。
そのため、経済学者たちはこの「神の見えざる手」の考えを信じ続けてきました。
最新の経済学はためになる
こうした経済学が変化してきているのは、最近になってからです。
実際に、ほとんど全ての人間が合理性を無視した行動をとること、結果経済学でいう最適な状態が現れないことを、実験で証明した経済学者が登場したからです。
この新しい経済学は行動経済学と呼ばれ、今では主流の考えになってきました。
- 病気が流行っているときにマスクを値上げすれば、店の評判が下がるのでかえってマイナスになる。
- 1000円の本が別の店で100円引きだと知っていたら移動するが、5万円のテレビが別の店で100円引きだと知っていても、移動する人は少ない。
- ガソリンスタンドでカード払いの手数料を値上げと表示すると使用率は下がるが、現金払いを手数料分だけ値下げと表示すると使用率は下がらない。
こういう一般の人には当たり前だけど、経済的には不合理な現象を行動経済学は明らかにしています。
行動経済学を勉強しておこう
“ぼく”
経済学の主流が変わってきているといっても、お金儲けにつながるのはまだまだ先のことでしょう。
だけど、行動経済学で取り上げている、人間の不合理な部分は、お金を使う上で役に立つ知識かもしれません。
時間がある時にでも勉強してみてはいかがでしょうか。