2020年7月にこのような記事で世間がざわつきました。
年金運用赤字 4半期最大の17.7兆円 1~3月期
https://www.tokyo-np.co.jp/article/39702
“ぼく”
このように思った人は多いのではないでしょうか。
また、税金として納めている年金を運用して、17.7兆円もの赤字を出していることに怒っている人もいると思います。
しかし、安心してください。
年金運用の累積の損益は70兆円の黒字となっています。
トータルで黒字だと安心しますね。
“ぼく”
年金運用について疑問に思っている人がいるはずです。
この記事では、なぜ年金運用をしているのか、また年金運用の仕組みや損益、株価状況などを簡単にまとめてみました。
目次
年金運用の仕組み
年金を運用しているのは、年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)です。
長くて覚えられないですね。
略してGPIFと呼ばれています。
GPIFは、厚生年金保険事業及び国民年金事業の安定に資することを目的としている組織です。
現役世代が納めた年金保険料のうち、年金の支払いなどに充てられなかったものが、将来世代のために積み立てられています。
GPIFはこの年金積立金を、国内外 の資本市場で運用して増やしています。
なぜ年金運用を行うのか
GPIFについて理解するためには、日本の年金制度を知っておかなければいけません。
簡単に年金制度について説明していきます。
日本の公的年金制度
日本の公的年金制度は、将来「歳をとって働けなく人」や「病気や事故で障害を負う」などの人生リスクに備えて、国民みんながお金を出し合う助け合いの仕組み(保険制度)です。
日本は、今後少子高齢化が進み、現役世代が少なくなり、高齢者世代が増えます。
そうなると、現役世代からの保険料が少なり、高齢者世代に給付する年金をまかなえなくなります。
現状だと、少子高齢化が進みと、公的年金制度が破綻してしまいます。
この公的年金制度が将来的に続くように、「年金積立金」で不足分を補う仕組みになっています。
年金積立金をGPIFが年金運用で蓄えてくれています。
年金運用の損益状況
冒頭に説明していますが、2020年1~3月期の四半期で17.7兆円の赤字がでました。
その結果、2019年度の収益額が8兆2831億円の赤字となっています。
新型コロナウイルスの影響で、経済が落ち込み、その影響で株価が大暴落した結果と言えます。
しかし、悲観してはいけません。
もし新型コロナウイルスが流行していなければどうなっていたのでしょうか。
もし、2020年1~3月期の四半期の17.7兆円の赤字がなければ、約9兆円ほどの黒字になっていると考えられます。
また、2019年度の運用資産額は、150兆6332億円と莫大な蓄えがあります。
さらに、最新の2020年度第1四半期(4月~6月)の運用実績は12兆4868億円の黒字となっています。
GPIFによる年金積立金の運用は、
株式や債券などの資産を長期にわたって持ち続ける「長期運用」によって、
安定的な収益を得ることを目指しています。
四半期の赤字結果だけを見て、悲観するのはメディアに惑わされていると言えます。
新聞やニュースには偏った情報があります。
自分で正確な情報を入手し、行動していきましょう。
<まとめ>年金運用は黒字!!
“ぼく”
新聞やニュースなどで年金運用が赤字と報じられて、将来の年金で不安になった人がいると思います。
しかし、しっかり知識を身につけるとそこまで悲観になる必要はありませんね。
GPIFの年金運用は、収益額70兆円(累積)、運用資産額162兆円です。
まだまだ余裕があります。
今後も年金はしっかり貰えるし、破綻はしないでしょう。